弁護士が答える養育費Q&A

養育費

Q:養育費とは何ですか?

養育費とは、子どもを育てていくための費用です。

親は、子どもに対して扶養義務を負っており、その結果として、当然に、親は子どもに対して養育費を負担しなければなりません。

離婚の際に親権者とならなかった親も、親である以上、扶養義務がありますので、養育費を負担しなければなりません。

Q:養育費の額はどうやって決めるのですか?

父母の間の話し合いで決めることができなければ、最終的には家庭裁判所が決定することになります。

つまり、自主的に夫婦の間で決めることが出来ればそれで良いですが、それがダメなら、家庭裁判所に調停を起こして裁判所に間に入ってもらった上で話し合いをし、それでもまとまらなければ、家庭裁判所の審判で強制的に決めてもらうことになります。

家庭裁判所は、父母の年収や子どもの人数・年齢などを基礎として、養育費の目安を算定するための基準(養育費の算定表)を定めています。

この算定基準をベースとして、それぞれのケースごとに、個別の事情を加味して、最終的な養育費の額を決定します

もっとも、法律の番人である裁判所を説得するには、感情論ではダメで、裏付けとなる「証拠を集めたうえ」で、「法的に適切な主張」をする必要があります。

どのような証拠を収集し、どのように法的な主張をするかは、個々のケースによって異なり、一つとして同じものはありません

ですから、個別のケースごとに有利な事情をうまく主張できないと、本来もらえたはずの養育費がもらえなくなってしまったり、払う必要のない養育費を払い続けなければならないこともあります。

しかも、養育費は、原則として子供が成人するまでの長きにわたって必要となるものですから、例えば子供が5歳の場合、20歳まで15年あります。

そうすると、養育費が月々1万円変わるだけでも、1万円×130か月(12か月×15年)=180万円という決して少なくない金額をもらえなかったり、逆に支払わされてしまうことがあるということになります。

子供の年齢がもっと低かったり、金額の増減が1万円よりもっと大きければ、もらえなかったり、支払わされてしまう額はもっと大きくなります。

ですから、ご自分のケースは法的には、最低でもいくらもらえるのか、いくら払うべきなのかについて、弁護士に依頼するかどうかを含めて、一度は専門家である弁護士の意見を聞いた上で、養育費の交渉にのぞまれることをおすすめします。

Q:後から養育費を変更することはできますか?

離婚の際に、養育費の額を決めた場合であっても、そのあとに事情の変更があれば、養育費の増額、減額といった変更を家庭裁判所に請求することができます

例えば、養育費を払っていた側の収入が大幅に上昇した場合や、子どもが大学や大学院に進学したためお金が必要になったというような場合などには、養育費の増額が認められることがあります。

一方で、養育費を支払っていた側が、会社のリストラや倒産、病気などで失業してしまい、収入が減少した場合などには、養育費の減額が認められることがあります。

もっとも、養育費の増減額が認められる事情は上記に限られるものではありません。
ケースごとに様々です。

ご自分のケースにあてはまる個別の事情をうまく主張して、相手や裁判所を説得する必要があります。

これができないと、本来増額されるべき養育費がもらえなくなってしまったり、減額されるべき養育費を払い続けなければならないこともあります。

上でも述べましたが、子供が成人するまでという長い目で見れば、養育費の増減によって、本来もらえたり、払わなくてもよくなる養育費の額は数百万円という高額になることも珍しくありません。

目先の費用にとらわれて、長い目で見た場合に大きな損をしないためにも、弁護士に依頼した方が良いのかどうかを含めて、一度は法律の専門家である弁護士に相談されることをおすすめします。

Q:相手が養育費を払ってくれません。どうしたら良いでしょうか?

①養育費についての合意がある場合

離婚の際に、裁判所の判決や調停調書、公正証書などで、養育費についての合意がしてある場合には、強制執行をして、養育費を払わなければいけない相手の給料などを差し押えることで、強制的に支払わせることができます。

②養育費についての合意がない場合や、合意があっても口約束の場合

離婚の際に、養育費についての合意をしていない場合や、あっても口約束だけの場合は、養育費だけを決めるための調停を家庭裁判所に申し立て、養育費が調停で決まれば調停調書を作ってもらい、決まらなければ、裁判所の審判によって養育費を強制的に決めてもらった上で、相手に対して請求し、払わなければ強制執行をしていくことになります。

上記①、②いずれにしても、強制執行をするためには、それなりの法的知識が必要です。

さらに、相手に収入や財産がない場合には、強制執行をかけても何も取れません。

それどころか、養育費の請求や強制執行のタイミング・方法を誤ると、相手に逃げられたり財産を隠されてしまう可能性もあります。

傷口を広げることなく、より可能性の高い回収方法について、ご自分のケースはどうするのが一番良いのか、一度は法律の専門家である弁護士にご相談されてみてはいかがでしょうか。