離婚の慰謝料

Q:離婚の慰謝料とは何ですか?

A:離婚の慰謝料とは、簡単に言えば、「離婚によって生じた精神的苦痛に対して支払われるお金」です。

もっとも、離婚の慰謝料は、離婚の際に必ず支払われるものではなく、例えば夫が不倫をするなど、離婚の原因を作った配偶者(これを有責配偶者といいます)がいる場合に、この有責配偶者に対して、他方の配偶者が、請求することができるというものです。

判例上、離婚の慰謝料が認められる代表的なケースとしては、不貞行為のほか、暴力、婚姻生活の維持への不協力、性交渉の不存在を原因とする離婚などがあります。

なお、離婚に伴う慰謝料の法的性質は、不法行為に基づく損害賠償(民法709条,710条)ですから、損害及び加害者を知ったときから3年間請求権を行使しないと時効で消滅するので(724条)、この点にも注意が必要です。

Q:慰謝料の額はどうやって決まるのですか?

A:巷(ちまた)では、「慰謝料の相場」などと題して、これを200万円などと断言している情報も散見されますが、なぜ断言できるのか大変疑問です。なぜなら、法律に「こういう場合は慰謝料はいくらになる」と明確に書いてあるわけではなく、具体的な慰謝料の額がいくらになるかは、事案ごとにケースバイケースだからです。

実務上、慰謝料の額は、具体的事案ごとに、①婚姻期間の長さ、②婚姻関係が破綻した経緯、③有責行為の悪質性の大小、④有責配偶者が関係修復への努力をしようとしたかどうか、⑤夫婦の年齢・職業・経済状態、⑥婚外子の存在や認知の有無、⑦年齢的に再婚できる可能性があるか、⑧離婚によってどれだけの経済的不利益が生じるか等、様々な要素が考慮された上で決まります。

ですから、一般の方が、慰謝料の相場なる、何となくの数字を鵜呑みにして軽々に行動するのは、本来もらえる金額がもらえなかったり、払わなくて良い金額を払わされることになりかねず危険です。当事務所はお勧めしません。

思わぬ落とし穴に嵌(はま)らないためにも、自分のケースは、慰謝料の額がどれくらいになりそうなのか、自分の主張をより有利にするためには、どのような証拠を集めるべきか、そもそも慰謝料の請求自体が認められるのか等、これらの重要な点について、一度は離婚の専門家である弁護士に相談されることをおすすめします。