Q:自己破産とは何ですか?

 A:自己破産とは、財産を清算した上で、借金の返済をゼロにしてもらうことを裁判所に認めてもらう手続きです。

ちなみに、破産は、法律上、債権者からも申立てができます。これと区別して、破産をする債務者が、自ら破産を申立てる場合を、自己破産といいます。破産は、通常ほとんどのケースがこの自己破産です。

そして、自己破産には、申立人である債務者の事情に応じて、「同時廃止手続」「管財手続」の2種類があります。

Q:「同時廃止手続」とは何ですか?

 A:自己破産の「同時廃止手続き」とは、自己破産の内、破産の申立人が、一定以上の価値がある財産を持っていないことが明らかな場合等に認められる、下記の管財手続きに比べて簡易な破産手続きです。個人の自己破産は、大半がこの同時廃止手続となります。

Q:「管財手続」とは何ですか?

 A:裁判所に選任された破産管財人(通常は弁護士)が、財産を適切に調査・清算した上で手続きを進める、同時廃止手続に比べて厳格な破産手続きです。①申立人が一定以上の高額な財産を持っている場合、②申立人に免責不許可事由が疑われる場合等に、管財手続となります。

管財手続は、上記の同時廃止手続に比べて複雑であることから、手続き終了までの期間が長くなるとともに、裁判所に納める予納金などの裁判所費用が割高になります。

Q:手続き終了までの期間はどれくらですか?

 A:自己破産の手続き終了までにかかる期間の目安は以下の通りです。

【同時廃止手続】
申立てから2~3ヶ月

【管財手続き】
申立てから6~8ヶ月

当事務所の弁護士にご依頼頂けば、期間中の手続きを、ご依頼者に代わって原則全て代行致します。貸金業者等債権者や、裁判所から、ご依頼者に直接連絡が来ることもありませんのでご安心下さい。

Q:自己破産のメリットは何ですか?

 A:自己破産のメリットは、何と言っても、任意整理や個人再生と違って、借金が減るだけでなく、借金の返済義務が免除される(借金の返済がゼロになる)ことです。

これを「免責」といいます。

なお、自己破産の申立てをして破産手続が開始(破産手続き開始決定)されると、以後、取得した給料や財産は、破産で処分される財産の対象とならず、自由に使うことが出来るようになる、②給料の差押えをされなくなる等のメリットもあります。

Q:自己破産のデメリットは何ですか?

 A:自己破産のデメリットは、家やマンション・車など、原則として20万円を超える価値がある財産を手放さなければいけないという点です。

もっとも、家具や電化製品、99万円までの現金等、生活に欠かすことができないと認められる財産については、通常、手放す必要はありません。住居が賃貸住宅の場合、部屋を退去する必要もありません。仕事を解雇されることもありませんし、給料も引き続きもらえます。

さらに、破産開始決定後に取得した給料や財産は、自由に使えます。

なお、よくある誤解ですが、戸籍住民票に、傷が付くことはありません。もちろん、選挙権が無くなることなどあり得ません。

つまり、自己破産をしても、基本的には従来通りの生活をすることが可能ですので、この点は誤解しないようにご注意下さい。

Q:自己破産による資格制限とは何ですか?

 A:自己破産の手続き中は、一定の資格が制限されるため、この資格を使って仕事をすることができなくなります。

具体的には、宅地建物取引主任者、警備員、生命保険募集人、証券外務員、旅行業務取扱管理者などがこれに当たります。

もっとも、この資格制限はあくまで自己破産手続きの間だけです。免責が許可されれば,この資格制限はなくなります。

したがって、自己破産による資格制限がされるのは、同時廃止手続であれば2~3か月、管財手続であれば半年程度の期間限定ということになります。決して、一生資格が制限されるわけではありませんので、誤解されないよう、ご注意下さい。

なお、会社の役員や医師、一般の公務員などは、自己破産をしても、資格の制限は特にありません。

Q:免責が認められないことがあると聞いたのですが?

 A:免責とは、裁判所によって、借金やローンの返済義務を免除してもらうことです。これにより、借金や各種ローンの返済がゼロになるのですから、自己破産の目的は、この免責を受けることにあると言って過言ではありません。

基本的に、免責は認められますが、例外的に、免責を許可するのにふさわしくない事情(免責不許可事由)がある場合、免責が認められないことがあります。

代表的な免責不許可事由として、パチンコや競馬等のギャンブルによる浪費で借金を増やしてしまった場合があります。

免責不許可事由が疑われる場合、管財事件となり、裁判所や管財人によって、免責不許可事由について慎重に調査されることになりますが、免責不許可事由があれば、絶対に免責が認められないというわけではありません。裁判所や管財人が、免責不許可事由について本人が十分に反省していると判断した場合などには、免責が認められます(裁量免責)。

なお、当事務所の弁護士が代理人として破産を申立て、これまで免責不許可になった事案は、ギャンブルによる浪費案件を含め、過去に一件もありません。免責不許可事由が存在する可能性がある場合でも、諦める前に当事務所へ一度ご相談下さい。

Q:自己破産は家族にも影響しますか?

 A:自己破産の効果は、あくまで破産者本人のみに生じるものなので、法律上、自己破産によって、家族が不利益を受けることは原則としてありません

ただし、①家族が、破産者が作ったクレジットカードの「家族カード」を利用している場合、②家族が、破産者の保証人になっている場合、③破産申立前に、破産者の財産を配偶者等の家族に移してしまっているという場合等には影響することがあります。

①の場合は、基本的には「家族カード」は使えなくなるとお考え下さい。もっとも、家族が自分自身の名義で作っているクレジットカードが使えなくなることはありませんので、この点は誤解しないようご注意下さい。

②の場合は、貸金業者などの債権者が、破産者の保証人である家族に対して、残債を一括で支払うように請求することが可能になります。この場合、家族が、残債を破産者に代わって返済するか、保証人自身も自己破産を検討する必要が出てきます。

③の場合は、破産管財人が、家族に対して、否認権という権利を行使して、移した財産の返還を求めて来ることがあります。なお、破産者から家族に財産を移した理由が、財産隠しを目的とするもので、家族もこれを知って財産の移転を受けたというような悪質な場合には、否認権の行使だけでなく、破産犯罪(破産に関する刑罰)に問われることもありますので、くれぐれもご注意下さい。

以上から、家族が保証人になっているケースや、財産の移転に心当たりがある場合には、破産を申し立てる前に、早めに経験豊富な弁護士にご相談されることをお勧めします。