Q:債務整理は自分で出来ますか?

 A:一般的には、自分で債務整理を行うことは難しいと考えて頂いた方が良いです。実際、自己破産の例を挙げれば、弁護士等の専門家に依頼している人が、90%以上といわれています。

自分で債務整理を行うことが難しい最大の理由は、一般の方にとって、債務整理(特に裁判所を利用しなければならない、自己破産・個人再生)の手続きはかなり面倒だからです。

手続きの詳細はここでは割愛しますが、債務整理は、借金やローンを、合法的に免除・減額する手続きです。そのため、一方で、借金やローンなどの貸主である貸金業者を始めとする債権者は、借金やローンを回収できなくなったり、回収額が減るという不利益を受けます。

このような不利益を被る債権者に、借金やローンの減免について、ある程度納得してもらうためには、債権者に対する丁寧な説明を始めとする様々な配慮が必要となるため、特に、自己破産や個人再生といった裁判所を利用する債務整理には、法律上厳格な手続きが要求されています。ですから、手続きがどうしても面倒なものになってしまうのは仕方がないのです。

さらに、これら面倒な手続きを、貸金業者を始めとする債権者からの直接の取立てが続く中で、仕事や日常生活と並行しながら行うのは心身共に大変疲労します。

なお、債務整理の内、任意整理は、裁判所を利用する手続きではないので、手続きとしては簡易ですが、一方で貸金業者と直接交渉しなければなりません。しかし、プロである貸金業者が、一般の方からの直接交渉に応じた上、さらに好条件で債務の減額や返済期間について合意してくれるというのは通常はかなり難しいです。

いずれにせよ、現実に大部分の方が、弁護士等の専門家に債務整理を依頼されている事実からも、一般的には、自分で債務整理を行うのは難しいと考えて頂いた方が良いと思います。

Q:債務整理を弁護士へ依頼するメリットは何ですか?

 A:主なメリットとして下記の3つを挙げることができます。

1.貸金業者等、債権者からの取立てを止めることができる

弁護士に債務整理を依頼した場合、弁護士は「受任通知」という書面を、カード会社や消費者金融等の貸金業者に対して送ります。「受任通知」とは、「弁護士が依頼者の代理人として以後の債務整理を行うので、今後の連絡は全て代理人である弁護士にして下さい」という内容の書面です。

法律上、弁護士からこの書面を送られると、以後、貸金業者は、ご依頼者に対する直接の連絡や取立てはできなくなります(貸金業法21条1項9号)取立てが止まることで、ご依頼者本人のストレスが大幅に軽減されますので、日常生活や仕事に対して、見違える程の精神的余裕が生まれます。

2.全ての作業を任せることができる

上記の【Q:債務整理は自分でできますか?】に記載した通り、債務整理をするためには、相当な手間と労力がかかります。

特に、裁判所を通じて行わなければならない自己破産と個人再生は、限られた期間に大量の書類を自ら収集・作成した上で、自分で裁判所へ出向いて書類を提出し、その後も適宜裁判所と折衝する必要がある等、大変面倒です。

しかし、弁護士に依頼すれば、原則としてこれらの手続きを全て代行してくれますので、仕事や日常生活への負担を最大限減らしながら、安心・確実に、債務の減額や免除を実現することができます。

3.裁判所の費用が安くなるケースがある

大阪や神戸地裁の場合、弁護士に依頼した場合のみ、破産管財人が就く自己破産において、少額管財制度が利用できます(自分で自己破産の申立てをする場合はもちろん、司法書士に依頼した場合でも、この少額管財制度は利用できません)。

この少額管財制度を利用すると、裁判所に納める手数料である予納金の額が、最低でも30万円程度は安くなるため、弁護士費用を払ったとしても、結果的に準備しなければならないトータルの費用を大きく節約できます。

資金繰りが苦しい債務整理の局面において、トータルのコストカットは大きなメリットといえます。なお、個人再生においても、弁護士に依頼すれば、再生委員が選任されずに済む結果、裁判所費用が大幅に安くなることがあります。

以上のように、弁護士に債務整理を依頼することで、弁護士費用はかかるものの、一方で、心身の負担や手間・労力の軽減、裁判所費用の大幅減額等、様々なメリットがあるということもご確認頂ければと思います。

Q:弁護士と司法書士の違いは何ですか?

 A:債務整理について、交渉から裁判所の手続きまで無制限に代行・関与できるのは弁護士だけです。

司法書士は、個別の借金やローンの額が140万円を超える場合には、交渉はできません。違反すると、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑事罰の対象にもなります(弁護士法77条3号・72条)。

このほか、司法書士は、裁判所の全ての手続きに関与できるわけではありませんので、破産や個人再生を司法書士に依頼した場合、依頼者が自分で裁判所とのやり取りをする必要が出てきます。

また、司法書士に依頼した場合、通常は少額管財制度を利用できないため、自己破産の場合、裁判所に納める予納金という手数料が、弁護士に依頼した場合に比べて30万円以上高額になるケースもあります(大阪・神戸地裁の場合)。

このように、法律上、司法書士には弁護士にない種々の制約があります。逆に、弁護士には何らの制約もありません

債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)は、弁護士への依頼をお勧めします。

Q:ブラックリストについて教えて下さい

 A:自己破産、個人再生、任意整理いずれの手続も、それぞれ登録される期間の長短はあるものの(通常5~10年)、これらを利用すると、原則として、信用情報機関(いわゆる「ブラックリスト」)に情報が登録されてしまいます。 ブラックリストに登録されている間は、新たにクレジットカードを作ることや各種ローンを組むことは基本的にできません。

もっとも、郵貯・その他の銀行など、金融機関の預貯金の口座やキャッシュカードは作れますので、日常生活における振込み、引落し等は普通に行うことができます。料金さえ払っていれば、携帯電話が使えなくなるということもありません。

もちろん、ブラックリストに登録されたことが世間に公表されることはありませんから、自分が話さなければ、親や兄弟はもちろん、友人・知人・職場の人間を始め、一般の人に知られることもないのです。

つまり、ブラックリストに登録されると金融業者からの借金・ローンが基本的にできなくなるだけで、それ以外の日常生活は普通に送れますので、ブラックリストを必要以上に怖がらなくても大丈夫です。

ブラックリストに登録されると、何かとてつもなく大変なことが起こると誤解して、債務整理をためらってしまい、結果としてさらに債務を増やしてしまう方がおられますが、これでは本末転倒です。どうぞご注意下さい。

Q:債務整理をすると戸籍や住民票に記録が残るのですか?

 A:残りません。

自己破産、個人再生、任意整理、いずれの債務整理を利用した場合でも、戸籍や住民票に何らかの記録が残ることは一切ありません

なお、選挙権が制限されたり、無くなることも一切ありませんので、誤解しないようご注意下さい。